千葉パパのTHINK THE LIFESTYLE

千葉県でパパをしていいます。独立画策中。

バイトテロを現場から中継。バイトテロが起こるまでとその末路

第105回

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今回はバイトテロリストの心理を紐解き、再現VTR風にその様子を見て、その恐ろしさを考えてみたいと思います。

 

序章 バイトのストレス

「今日もバイトだよ。今から5時間バイト。週4はさすがにしんどいよなー。」

 

たかしくんは、大学4年生。

就職活動も終わり、あとは卒業を残すのみとなった。卒業旅行も終わり、社会人の新生活に必要なものを揃えるため、バイトに勤しむ毎日であった。

 

時間はあると言えど、週4勤務は大学生にとっては結構辛いこと。

 

しかも、バイト先は誰もが知る有名チェーンのファミレスだった。

 

接客態度にとても厳しい。

 

「もう少し規則が緩ければ、楽なのになぁ。」

 

毎日必ず一件はクレームの対応に追われていた。

 

「あそこのお客さん、うるさいんでなんとかしてもらえませんか?」

 

「そうですよねぇ。少々お待ちください。少し注意してきます。」

 

「他のお客様の迷惑になっているので、少し音量を下げてもらえませんでしょうか。」

 

 

「あぁ?ここの店は金払ってる客に、30分もいさせないってわけか?ふざけんなよ。店長呼んでこいよ店長!」

 

 

「今店長は不在でして、少しだけで構いませんので、音量を・・・」

 

「ふざけんな!」

 

これは、特別な日ではなく、日常茶飯事のこと。

 

夕食時になると、バイトの人数は足りず、もう自分でも何をしているのか分からなくなるほど、忙しくなる。

 

第2章 事件の足音

なんとかいつもどおり、ピーク時を超え、店の閉店時間が近づいてきた。

 

「あー、疲れた。やっと閉店時間だよ。」

 

「客だからって偉そうにしすぎたよな。

たかし、大丈夫だった?」

 

「あー、今日は結構強面の客だったし、神経すり減ったよ。店員じゃなかったら、まじぶっ飛ばしてたよ。まぁ実際には、そんなことできないんだけどさぁ。」

 

「そういやーさ、あの客が使ってた皿まだ残ってるよね。」

 

「忙しくて洗い場に手がまわんなかったから、まだ残ってるよ。これだったかな」

 

「うわーきたねー!!やっぱ心が汚れている奴は、皿もきたねぇな。笑

ムカつくから、この皿、あの客だと思って粉々にしちまおうぜ!」

 

「皿を割るのは、さすがにやばいだろ」

 

「大丈夫だよ。あの客が割ったってことにすればいいんだから。ムカつく客に成敗だよ。

よし、じゃあ動画とるから、皿を木っ端微塵に割っちゃいなよ!店長には言わないからさ」

 

「えー・・・」

 

最初は乗り気でなかったものの、あの客を思い出すと、腹わたがだんだん煮えくり返ってきて、

 

「うりゃー!!!それそれー!!!

やーやーやー」

 

「はははっ!めっちゃテンション高い!面白いね!」

 

だんだんテンションが上がってきたたかしは、

 

「これもこうだ!こうしてこうしてこう!!!」

 

2枚目の皿も割ってしまいました。

 

普段のストレスが爆発して、テンションもだんだんハイに。

 

2人で動画を見返す。

 

「おもしれー!たかしのこんな表情初めてみたよ笑

まぁでもこれっきりにしようぜ。もう社会人になるし。大学生最後の記念だよ笑」

 

「ほんとムカついたよなー。あの客。」

 

第3章 はじめの一歩

「じゃあーお疲れー、また明日ねー」

2人は家に帰った。

 

たかしの友人は帰った後も、その動画を見返した。

 

「今日のたかし面白かったなー。何回見ても笑える。そうだ、あいつにも見せてやろー」

 

たかしの友人は、別の友人にも、ラインで動画を送った。

 

「たかしめちゃ面白くね?こんな顔してんの初めて見たよ笑」

 

人盛り上がりを終え、友人は、スマホを置き、眠りについた。

 

第4章 止められない

次の日の朝、

「あいつ動画アップしたのかよ。やばいだろ。」

知らない人が自分の動画をアップしていた。

 

そして電話。

 

「おいおい、あの動画アップしてんじゃねぇよ」

 

「俺アップしてないよ。友達には送ったけど。」

 

友人が友人に個人的に送った動画は、あれよあれよと言う間に、友達から友達へと流れていったのだ。

 

「もう拡散15人になってる。」

 

「大丈夫だよ。そのうち消えるよ。」

 

「そうかなぁ。」

 

拡散数もそれほどではないし、制服のロゴも写ってないから大丈夫か。

 

たかしは、渋々その状況を放置してしまった。

 

しかし、2時間後。

 

「やばい!拡散数が1万件超えてる!」

 

しかもコメントも100件以上。

 

「この店知ってる!〇〇丁目の店だよね!」

「こいつやばい非常識」

「あの店好きだったのに。行くのやめよ」

 

拡散のスピードは恐ろしく、どうしても止まらない。止め方がわからない。

 

第5章 発覚

「たかしくんさー、ちょっときてくれる?」

「・・・はい。何でしょうか?」

「この動画に写ってるの君だよね?」

「・・・はい。」

「こんなことしたらどうなるか分かってるよね。もう本部にも連絡したし、私も店長としての責任を問われてるんだよ。とりあえず次からバイトに来なくていいから。多分解雇になると思うよ。私もどうなるかわからない。君はバイトやめれば、それで済むのか知らないけど、私は生活がかかってるんだよ。ほんとどうしてくれんだよ」

 

たかしはバイトをクビになった。

友人も連帯責任でやめた。

 

「たかし、ほんとごめん!俺が動画を送ったばっかりに。」

 

「もういいよ。やったのは俺だし。まぁバイトやめるぐらいで済んだんだから、いいでしょ。

数週間早まっただけだよ。」

 

たかしは、不幸中の幸いで、店から損害賠償を請求されることはなかった。

 

第6章 末路

あの日から1週間後、内定先から電話が。

「あー、たかしくん?きみさー何か問題起こしたんだっけ?うちとしてもさー、あんなことしてる動画が世間に知られてる人を会社に入れるわけにはいかないんだよね。」

 

「え!?ちょっと待ってください。」

 

「じゃあ、そういうことだから、内定取り消しね。正式な連絡は書面で送るから。」

 

たかしは、春から勤めることになっていた会社の内定を取り消されてしまった。

 

「どうしよう・・・」

 

どうやってバレてしまったのか分からない。でも起こってしまった。

 

たかしは何気無くテレビをつけた。

 

何とそこには自分の姿が映っていた。

 

「バイトテロが最近、社会的な問題になっていますねー。」

「ていうかなんでアップしちゃうかなー。問題になることは分かっていたでしょ。」

 

テレビのコメンテーターが人ごとのように話している。

 

「いや。そういうつもりじゃなかったんだよ・・・」

 

テレビに話しかけても、答えは返ってこない。

 

そこに映し出されている映像には、モザイクがかかっていた。

 

しかし見る人によれば、それがたかしであることは分かるような気もした。

 

たかしは外を出歩けなくなった。

 

誰もが自分を見ているような気もする。

 

締め切った部屋から、カーテン越しに外を見た。

 

とても明るい。

 

でももう外には出たくない。

 

「自分は犯罪者だ。何をされるか分からない。」

 

たかしは、外に出ることをやめてしまった。

 

まとめ

ここまで読んでくれた人はありがとうございました。

いかがでしたか?これはフィクションですが、たかしくんに起こったことは、みなさんにも起こる気がしませんでしたか?

 

ちょっとした軽はずみな行動が、瞬く間に人生を揺るがす問題になってしまいますよね。

 

私も気をつけます。

 

 

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