【バイトテロ】なぜSNSにアップする?人ごとではない。その心理を紐解く
第104回
最近ニュースで取り上げられることも多くなった「バイトテロ」。
第三者から見ると、「なぜアップした?」という根本的な疑問を抱かざるをえませんが、そこには彼らの社会的立場や心理が大きく反映しています。
今回はバイトテロがなぜ起こるのか、その心理を掘り下げます。
- バイトテロとは
- 予想できただろ?と誰もが思う
- バイトテロが起こる理由
- バイトテロをやってしまう人の傾向
- 請求される可能性のある損害賠償
- バイト以外にも追及の目が
- あなたは大丈夫か?バイトテロは身近で起こる問題
バイトテロとは
そもそもバイトテロとは、
Wikipediaに簡潔にまとめられているのでそちらを引用します。
個人のブログやTwitter、Facebookを始めとするSNSにおける不適切な発言や写真投稿に対して批判が殺到する「炎上」の一類型であるとされ、また、問題の投稿に対して批判する側が集団でエスカレートして行く状況について「祭り」の一種と見る向きもある[9]。Instagramのストーリーズ(ストーリー)機能の追加により、写真や動画の投稿、ライブ配信が、ライブ配信も含め配信終了後24時間以内に削除される仕様になっているので投稿してから消去されるまでの間にTwitter等により拡散されてしまう事例も発生している[10]。
もう少しかみくだくと、
アルバイターが働き先の不適切な行為をあえてSNSにアップロードし、拡散された結果、働き先の信用を下げ、破格の損失を負わせる行為と言えますね。
予想できただろ?と誰もが思う
ニュースを見て誰もが思うことですが、
「こうなることは分かっていたはず」ということですよね。
しかし、多くのバイトテロは、こうなる事態を予想できておらず、問題となって初めて、ことの重大さを知るというパターンが多いようです。
第三者が冷静になって考えると、問題が大きくなることは容易に想定できる事態を、
なぜ彼らは想定できなかったのでしょうか。
バイトテロが起こる理由
ここからは、なぜバイトテロが起こってしまうのか理由を掘り下げます。
SNSが現実とつながっていない
最も大きな原因は、バイトテロを起こす人物のSNSのつながりが、個人とその周りに閉じてしまっているという状態にあります。
つまりSNSと言えど、そう簡単に、知らない人や、世の中で話題のインフルエンサーとつながったり、注目されるという意識がないということです。
その状況の中で、一歩先に踏み込めば、誰もが見られる現実の世の中と繋がっているという意識が徐々に薄れています。
おそらくですが、普段は自分の投稿がそこまで大きく拡散されるということはなかったのでしょう。
頻繁にブログなどのメディアを更新されている方なら、些細なことがきっかけで自分の記事が拡散されたりという経験があると思いますが、彼らにはまだその経験がなかったと思われます。
また最近のSNSでは、24時間で動画が削除されるという機能もありますが、その機能を過信し、結果的に24時間以内に拡散されてしまうということも起こっているようです。
バイトテロ動画を拡散する人たちの存在
近頃バイトテロが頻繁にニュースに取り上げられるようになったのは、「わざと拡散する人」の存在もあるようです。
意図してバイトテロの動画を探し歩き、見つけたら即拡散ということをしている人がいるようです。
面白半分ということもあるでしょうが、多少なりとも、意図してやったのなら、
これは悪意のある行為といっていいでしょう。
結果的に動画の投稿主の不幸につながることを予期して拡散するのは、許せない行為です。
根本的には、動画を上げてしまった本人の責任ですが、わざと拡散する行為は社会的にも問題があります。
また、「拡散する人」によって、バイトテロが社会的な問題になる前にアップロードされた動画も拡散されることとなり、当の本人は忘れてしまっていた動画でも、最近になって問題となるケースもあるようです。
プロ意識を無理やり詰め込んだストレス
動画をアップしてしまう人たちは、おそらく普段は普通の人たちなのでしょう。
しかし、なぜ彼らが、ある意味での豹変を起こし、社会的に問題となるような動画をアップしてしまうのか。
その根本的な原因は、バイト後の開放感から来るものが多いと思われます。
特に日本の場合、アルバイターであったとしても、その企業の従業員として立ち振る舞うことが求められます。
アルバイトだからといって緩和されるようなルールはほとんどありません。
しかし、当の本人たちは、もともと単にお金を稼ぎにきているだけのアルバイター。その企業の理念や理想、夢を十分に共有している人たちではありません。
つまり企業としての目的や夢を共有していない人たちが、従業員と同じ働き方を求められているのです。
無理やり詰め込んだプロ意識により、業後、そのストレスが一気に解放され、正常な判断をできなくしています。
短絡的なユーモアセンス。自分は面白いという勘違い
バイトテロ動画に共通しているのは、第三者が見ても、全く面白くないという点です。
社会的に問題となる行為をせずとも、注目度の高い動画は撮れるはずです。
しかし彼らの動画はとても短絡的です。
背徳行為を行うスリルを味わうことだけに終始し、そこにはユーモアのかけらもありません。
彼らに少しでもユーモアがあれば、社会的に問題となる行為をせずとも、面白い動画をアップして、それで終わっていたはずです。
承認欲求
普段様々な人に承認されるような立場であれば、問題のある動画をアップするという行為そのものに及ぶ可能性が低いと思われます。
注目されたいが、されない。そのジレンマの中で、彼らは知らないうちにストレスを溜めているのではないでしょうか。
バイトテロをやってしまう人の傾向
- 普段はおとなしめ
- 自分は面白いと思っている
- 承認欲求が強め
- 男性が多い
- 接客系アルバイター
- 内弁慶
請求される可能性のある損害賠償
やはり、バイトテロは、企業の社会的にイメージを損なうため、莫大な損害賠償を請求される可能性があります。
仮に、100人に1人が、
「問題があったし、別の店に行こう」というふうになってしまえば、それだけで、とてつもない損害です。
大戸屋の場合
最も最近問題となったのは、大戸屋でのバイトテロですよね。
大戸屋の売り上げは、2018年3月で、
250億円を超えています。
100人に1人が別の店に行けば、
単純計算で、2億5千万円の損失がでます。
これを全額損害賠償することは考えにくいですが、破格の請求をされる可能性は十分に考えられます。
気をつけましょう。
バイト以外にも追及の目が
今後想定される世の中の動きとして、バイト以外の行為でも、社会的に少しでも問題となる行為であれば、拡散されて、社会的に問題となるケースが発生することが予想されます。
SNSには「あえて拡散する人」がたくさんいます。
おそらくSNS上にアップされる全ての情報が問題となるでしょう。
- 動画
- 画像
- 文章
- プログラム
あらゆるSNSの情報があなたの立場を脅かす原因となるかもしれません。
あなたは大丈夫か?バイトテロは身近で起こる問題
バイト以外にもあなたがアップロードしてきた全ての情報が、悪意のある人たちによって拡散され、社会的に問題となる事案が発生する可能性はあります。
私も高校時代に、酒盛りをした友人がその様子をインターネット上に公開し、問題が発覚して、停学をくらったということがありました。
停学で済んだからよかったものの、未成年の飲酒は法律を犯していますよね。
社会的な問題となってもおかしくない行為だったと思います。
「なんで動画あげたの?」と思いましたが、今考えると人知れぬストレスを抱えていたのかなぁと思います。
あなたは大丈夫でしょうか?
これまでアップロードした情報をこの機会に見直してみるのも良いかもしれません。
問題発覚時の損失を考えれば、新規でアカウントを作り直すというのもありかもしれません。
生きづらい世の中になってしまいましたが、
人と簡単につながるというのは、
それ相応のリスクを払った行為であるということを再認識したいものです。