会社をダメにする意外な不良社員像と対処方法
第18回
今回は会社をダメにしてしまう意外な不良社員像を私なりにご紹介したいと思います。
企業で働かれている方なら確かになぁと思うかもしれません。
仕事中居眠りをしてしまったり、仕事をしない、仕事にこない社員は誰でもわかる不良ですが、今回はどこの組織にもいる隠れた不良社員をご紹介します。
八方美人型不良社員
会社というのは、いかなる業種であっても、利益を追求するのが当たり前。逆に言えば、利益を追求しないのは会社ではないとも言えるでしょう。
特にB to B企業においては、会社間での利害関係が複雑に絡み合っていて、それぞれの会社がより多くの利益を得ようとしのぎを削っています。
そんな中意見が対立するのは日常茶飯事のことで、毎日のように、緻密な心理戦が繰り広げられています。
そんな中、八方美人型不良社員は、全く役に立ちません。
八方美人型不良社員は、
- 自分の意見を言わない
- 客にノーと言えない
- 出来もしないことをできると言ってしまう
- 発言には責任を持たない
という特徴があります。
普段の生活においては、いい人で通るかもしれませんが、会社においては、このような社員がいることで、周りは迷惑します。
仮にこのような社員の部下になった場合は、とても苦労し、時間がいくらあっても仕事が終わりません。
客が、言っていることを二転三転させることは当たり前です。金を払っているんだからやってくれという前提のもと、ダメ元でいろんな要望を付け加えてきます。
それをフィルタリングせずにそのまま部下に下ろすわけですから、大変になるのは想像がつきますよね。
このような社員は、最初人当たりがよく、とても話しやすいのがもう一つの特徴です。
人当たりが良いなと思っても、八方美人型不良社員だなと気付いたら、その人には絶対に相談や重要な仕事は任せないようにしましょう。
心配性型不良社員
心配性型社員は、
- 引用している全てのドキュメントを見ないと気が済まない
- 誰かのチェックではなく自分のチェックにしか意味がないと思っている
- ことの重要性に応じて仕事ができない
- 細かくチェックするまで責任を持たない
という特徴があります。
心配性であることは、基本的には良い方向に働くことが多いです。というのも、そういう人が誰も気づかないようなミスに気付いたり、ロジックの矛盾に気づいたりするからです。
しかし、それが過剰になってくると、だんだん組織に悪影響を及ぼすこととなります。
仮にその人が組織の責任者だった場合、
その人のOKが出るまで、何度も何度も資料の作り直しや、レビューの時間がかかります。
正直、取るに足らない仕事で、ちゃちゃっと終わらせたい仕事も、その人のチェックを経ることで、何倍ものお金と労力が失われます。
仕事というのは正解がありませんから、些細なミスなどは進行するうちに是正していけば良いものもあります。
その判断も出来ずに、全てのことを事細かにチェックしてから物事を進めようとするわけですから、周りがどんどん疲弊していってしまいますよね。
こういう人には、「あらかじめ、あなたの以前やった仕事の内容を踏まえて、細かめのチェックをすでにしました。」という報告をすることが大切でしょう。
矛盾しているようですが、これを事前に伝えてあげることで、彼は安心し、細かいチェックをしなくても大丈夫何だなと少し安心感を与えることができます。
記憶喪失型不良社員
記憶喪失型社員は、
- 複数の仕事を抱えている
- 自分の発言も覚えていない
- 相手の発言ももちろん覚えていない
- にもかかわらず、電話や口頭で簡単に確認を終わらせようとする
という特徴があります。
このタイプの社員が上司にいると、とても厄介です。
以前に報告した内容を完全に忘れていたり、前に自分が言っていたことと全く逆のことを言ったりします。
しかしこのタイプの社員は前の2つよりも対処が簡単です。
常にエビデンスや発言内容を記録してあげることで、彼の記憶喪失を認識させてあげることができます。
連絡はメールなど後で確認できるものでのやり取りを心がけましょう。
また単にメールをするのではなく、過去にした発言を引用しつつ、会話してあげることで、
コミュニケーションはスムースになります。
事実歪曲型不良社員
事実歪曲型社員は、
- コミュニケーション能力に長けていると思っている
- 作る資料がとても抽象的
- 会話やアクションの内容に根拠がない
という特徴があります。
この手の社員は、お客さんから言われたことは、実はこういう意図があるんだと、みんなに言いふらすことによって、誰よりも俺は人の心が分かっていて、お客にとってもスムースに会話できる良いビジネスパートナーだと思い込んでいます。
たしかに、その根拠のない読みは当たることがありますが、基本的には、意図の汲み取り間違いが大半を占めています。
顧客との相性が悪い場合には、何でいつも言った通りのことをやってくれないんだと怒らせてしまう場合があります。
こういう社員は一度泳がせておくのが良いでしょう。そして、汲み取り間違いがあった場合、ここぞとばかりに、そう判断した根拠や、間違った理由を明確にしてあげましょう。
それを何度か繰り返すことによって、自分は的外れな解釈をよくするということを自覚させることができます。鉄は熱いうちに打てという言葉にもあるように、この手の社員は
その時に言わないと、すぐに自分の都合のいいように解釈してしまうため、ミスしたその瞬間の対処が重要となってきます。
強面パワハラ型不良社員
強面パワハラ型社員は、
- 自分の仕事は完璧だと思っている
- 人のミスは許さない
- 納得いかないと怒り狂う
- 自分では恐くないと思っている
という特徴があります。
この手の社員は個人で見ると仕事ができるとされる人が多いです。
しかし、組織で働くとき、このような人がいると現場が回らなくなります。
誰もがこの人とのコミュニケーションを恐れ、次第に会話がなくなってきます。
自分がどのように思われているのか分かっていないため、報告がない!そんなの一言も聞いてねぇよ!と怒り狂います。
たしかに、仕事である以上、報連相は基本ですが、このような人にはできるだけ話しかけたくない、関わりたくないというのが人間の性です。
このような人がいる現場では、新しい人が育ちません。次から次へと人が来ては去っていきます。
組織的にも、その人しか有識者がいなくなり換えがきかなくなります。
結果的には、組織にとってダメージとなります。
こういう人は、早めに現場を去ってもらうのが一番でしょう。
その人に仕事を頼んだり、任せたりする量を徐々に減らしていき、組織的に排除していくのがよいです。
長く現場にいることが多いので、なかなか引き剥がすことは億劫になりがちですが、剥がしてみれば、意外とすぐに組織は成立するように変化するものです。
いかがでしたか?
あなたの会社にも必ず一人はいる不良社員。
組織にいろんな人がいるのは当たり前です。
そのことを踏まえ、その人にあった対処をすることで、よりよい職場環境を維持することができるでしょう。